軽最速の名を欲しいままにした「アルトワークス」
ベッキーのCMでも話題の8代目アルト。そのアルトから走りに特化した「アルトターボRS」が発売されました。
この話を聞いて、誰もが思い浮かべるのが「アルトワークス」の存在でしょう。初代アルトワークスが誕生したのは1987年バブル真っ盛りのころです。その世相を反映したように「トンデモナイ車」でした。
小さな車体に、最終的には11kg/3500rpmに至ったパワフルなエンジン。全日本ラリー選手権Aクラスでは何度も優勝し、「軽最速」の名をほしいままにしました。
しかし、そんなアルトワークスも2000年に消滅。アルトのターボモデルとして10年ぶりに登場したのが今回のアルトターボRSです。
アルトターボRSと8代目アルトを比較
上がアルトターボRS、下が8代目アルトになります。
変更点は以下の通り。
- ディスチャージヘッドランプを採用(標準車はハロゲン)
- ヘッドランプ周りをメッキガーニッシュで加飾
- サイドアンダースポイラーを標準装備。
- ルーフエンドスポイラーを標準装備。
- 新型アルト用に開発した軽量15インチアルミホイール
- ターボRS専用のブリヂストン「ポテンザ RE050A」
もともと8代目アルト自体がフルモデルチェンジでシャシなどが軽量化、高剛性化がなされています。しかしこのアルトターボRSはそこからさらに専用の車体補強が施されています。その為、標準車より5%ほどねじり剛性が強化されているそうです。
カラーは3パターン用意されておりパールホワイト、ブラック、レッドから選べます。(ホワイトのみ2万1600円のオプション価格) 以前、水原車両販売で一日だけ展示車としてやってきたアルトターボRSはブラックモデルでした。
そちらの記事は「アルトターボRSブラックパールの感想&評価」をご覧ください。
つづいて内装。インパネは左側がタコメーター、中央がスピードメーター、右側が航続距離やガソリン残量を示すマルチインフォメーションディスプレイになっています。レッドゾーンは7,000回転からです。
画像の下に見える「+-」はパドルシフトです。マニュアルモードにするとよりクイックなシフトレスポンスに変化します。
改良されたR06A型ターボとAGSの実力は?
アルトターボRSの走りの醍醐味はやはりその「軽快さ」でしょう。改良型のR06A型ターボエンジンはタービンのガス流速向上、20%のターボラグ抑制、ベアリングの低フリクション化などにより、10kgmという大トルクを実現しています。
アルトの車体重量はFF車でわずか670キロ。規制により馬力こそ64PSであるものの、軽い車体を太いトルクのエンジンが運んでくれます。
またアルトターボRSはトランスミッションにAGSを採用しています。AGSはオートギアシフトの略で、ヨーロッパ車などでは一般的なタイプです。たとえばフォルクスワーゲンの「UP!」などで採用されています。
(同じAMTを採用しているヨーロッパ車フォルクスワーゲン「UP!」)
普通のAT車との違いがわかりにくいのですが、最近のオートマ車は無断変速のCVTが主流です。それに対しAGSはクラッチ操作を自動で行います。ちなみにオートマ限定免許でも運転できます。
AGSはストップ&ゴーの多い日本では馴染まない、と言われています。変速時の「カックン」が気になるからです。ネット上の意見を見るとその辺りはクリアしているようです。もともとスズキはキャリィなどの軽トラックでAGSを採用しているので、技術の蓄積があるのかもしれません。
完全復活はまだ先か?
ただそれでも「マニュアルが欲しい」という声は大きいようです。多くの人が指摘しているのがAGSがシフトアップする際の微妙なもたつきです。前述したトルクにより飛び出しこそ軽とは思えない加速ですが、シフトアップの祭に加速しないことを気にするレビューが多く見受けられます。
この辺りはアルトターボRSに何を求めるかに寄りますね。普通の人がこのクルマに乗れば十分に「速いクルマだ」と感じられると思います。しかしアルトワークスの時代を知る方にとっては、「物足りない」印象を受けるのでしょう。
しかし、このアルトターボRSはあくまでも10年ぶりターボ車に留まり、未だ「ワークス」の名を関してはいません。それは昨今の安全性への配慮や、環境性能の追求を考えれば仕方のないことかもしれません。なにしろバブルの頃とは求められてるものが大きく変わっています。
マニュアル車の要望が多ければ、今後マニュアル車が発表される可能性は少なくありません。その時こそが「アルトワークス」完全復活の瞬間なのかもしれません。
なおアルトターボRSの価格は2WDが129万3840円、4WDが140万5080円です。よく比較に出されるスポーツ軽のダイハツ「コペンローブ」が179~201万円。ホンダ「S660」が198万円から238万円なので、その中では一番安価です。
水原車両販売ではオールメーカーの新車を取り寄せ購入も可能です。新潟市や阿賀野市(旧水原)近辺でご入り用の際は、ぜひお問い合わせください。
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