SX4の後継、S-CROSS
スズキのコンパクトSUV「SX4」が「SX4 S-CROSS」としてリニューアルされました。エスエックスフォーエスクロスというなんとも言いにくい名前ですが、それはさておきどんな車なのか見て行きましょう。
このSX4はもともとハンガリーのマジャールスズキ製で、日本に輸入される形になっています。先代のSX4はBセグメントでしたが、S-CROSSになって全長が150mm、ホイールベースが100mm延長されました。
そのため車格はCセグメントにアップ。マツダ「CX-3」と同じカテゴリーです。乗用車とSUVを融合させたクロスオーバーモデルである所も一緒ですね。
S-CROSSのエンジンはスイフトスポーツの1.6LDOHCエンジン(M16A型)をSUV用にセッティング。スイフトスポーツのトルク・馬力は16.3kgm/136PSでしたが、S-CROSSは15.4kgm/117PSに抑えられています。
ただ単なるパワーダウンというわけではありません。トルクは低中速域に振られており、また燃費も17.2km/L(2WDは18.2km/L)とスイスポの15.6km/Lよりも良くなっています。これはSUVの用途であるロングドライブを意識したものでしょう。
スイフトスポーツよりも150kgほど重量があるので、この数字はなかなかです。
ロングドライブに最適な高い走行性能
「SX4 S-CROSS」の自慢は何と言っても、その走りでしょう。スズキというとアルトいった軽自動車を思い浮かべがちですが、エスクードなどでSUVにも高い技術を持っています。それが4WDシステム「オールグリップ」です。
オールグリップは、
- 電子制御4WDシステム
- 4モード走行切替機能」
- 車両運動協調制御システム
3つからなるシステムで、高い走行性と走破性を実現しています。路面状況に合わせて、オート、スポーツ、スノー、ロックの4つの走行モードを選択でき、さらにオートモードなら安定走行時には2WDに変更、燃費走行にも寄与します。
トランスミッションは7速マニュアルモード付CVT。ステアリングにあるパドルシフトで、スポーティな運転も可能です。
実際に試乗している方のネットの評価を見ていると、「正確なハンドリング」や「ストローク感のあるサスペンション」など好意的なレビューを多く見かけます。
クルーズコントロールを標準装備し、静粛性も高い。まさにロングクルーズにうってつけの車ですが、にもかかわらずあまりパッとしないのはやはり出荷台数の少なさから来ているのかもしれません。
このクルマの出荷台数は年間800台。しかも、輸入車なのでカラーは4色しかありません。前述したCX-3は1カ月で1万台を売上げ、月間販売台数も3千台を目標としています。街であまり見かけないのもむべなるかな、といった感じです。
外装・内装で損をしている?
確かに外装や内装を見ると、やや飾り気がないようにも感じます。もうちょっとヒネリが欲しい感じです。
ただその一方で、これくらいシンプルな方が飽きがこなくて使いやすいのではないか、と思ったりもします。
装備自体はクッション性の高いシートに、フロント・リアともにアームレストを備えるなどやはり長距離走行に適した形になっています。またラゲッジ容量では5人乗車時で420Lと、CX-3の350Lを上回っています。
「ロングツーリング」や「走破性」という目的に対し、真面目に取り組んでいる「隠れた実力者」と言える存在でしょう。
価格は2WDが204万1200円。4WDが225万7200円となっています。これはライバル車であるCX-3や、1.6Lのジュークと比べてもなかなかお買い得な価格です。
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