2016年3月のモデル別輸入車販売台数が発表されました。
輸入車といえばひと昔前は「高い」というイメージがありました。しかし2013年にボルボVが269万円という「本気価格」で売り出して以降、価格競争がスタート。
フォルクスワーゲンやメルセデスベンツなどリーズナブルなモデルが登場し、「内容と相応の価格」と感じる人が多くなりました。
こうした状況でどんな輸入車が実際に売れているのか?早速、5位から上位の顔ぶれを見ていきましょう。
5位:VWポロ 2923台
「輸入車はサイズが大きく取り回しが大変」そんな話をよく聞きますが、このポロは5ナンバーサイズ。
混雑した街中でも走りやすく、高速道路に出ればアウトバーン仕込みの走行性能を発揮します。後席の居住性が高いのも魅力です。
価格も228万円からと手頃です。
4位:BMW3シリーズ 3143台
ドイツ車の中でもスポーティなイメージが強いBMW。3シリーズはその主力モデルとなるスポーツセダンです。
小さな舵角から正確に反応する運転感覚はBMWならでは。どこからでも気持ち良く回るエンジンフィーリングは国産車ではちょっと味わえません。
3位:ベンツCクラス 4459台
最近はSUVも増えましたが、ベンツといえばやはり4ドアセダン。中でもCクラスは主力モデルだけあって意気込みが違います。
サイズはマークXなど同程度で、日本の道路でもそこまで困りません。乗り心地と走行性能において抜群に優れ、しかも世界最高峰の安全装備も用意。
クルーズコントロールは制止状態から作動するのでペダルを踏む必要がありません。高速道路での運転がぐっと楽になります。
ユーザーへのサービスも徹底しており、まさに「ドライバーに何もさせない」というベンツのサービス精神が感じれます。
2位:BMWミニ ミニ 6010台
性能重視の車がランキングに並ぶ中、ミニはその個性が人気の理由。可愛らしい外観に、他にはない大胆な内装。女性人気が高いのもうなずけます。
現在はドイツBMW傘下ですが、その走りはやんちゃなイギリス車のまま。ゴーカートのような運転感覚で「走るのが楽しい」クルマです。
日本で「遊ぶ」をコンセプトにするとハスラーのような幼さが出てしまいます。しかし、そうならずにどこか大人っぽさが感じられるのが欧州車です。
1位:VWゴルフ 6836台
排ガス不正問題により人気が急落したVW。しかし、ゴルフは相変わらず堅調な売れ行き。
そもそも問題の対象となったディーゼルモデルは国内で販売されていません。日本のゴルフに搭載されるTSIエンジンは優秀そのものです。
クルマ自体を見ても走りが重厚で、内装も上質。現行型は安全装備も国産に引けを取りません。
価格は若干高めの設定ですが、日本車にはない上質なハンドリングに支払ったと考えれば、「損をした」と感じる人はまずいないでしょう。
総評
輸入車が人気の理由は「個性」と「性能」です。
あるメーカーが始めると他もこぞって真似をする国産メーカーと違い、海外メーカーは「うちはこう」という貫き通すプライドがあります。それが彼らのブランドイメージの確立につながっています。
性能に関してはドイツ車などの欧州メーカーで顕著。やはり自動車文化はヨーロッパが生み出したものなのか、一般価格帯の車でもきちんと作り込まれています。
加えて価格も国産とそれほど変わらないと来れば、輸入車が伸びてくるのも致し方ありません。
「日本の道には日本のクルマが合う」とタカをくくっているとこのまま席巻されてしまうかもしれません。
もちろん日本車にも優れた点がたくさんあります。ハイブリッド技術はトヨタをはじめ世界一、各メーカーから出揃ってきたPHVに関しても三菱アウトランダーほどリーズナブルに買えるクルマは輸入車にはありません。
またシートアレンジなどの利便性にも優れています。ユーザー目線で考えた軽自動車の作りなどは日本人のおもてなしの心が息づいています。
日本車に足りないのは「アイデンティティ」です。せっかくいいものを持っているのに、それをうまく表現できない。
他の国産車を見て右習えになってしまったり、反対にド派手な輸入車の顔つきを真似してしまう。
「自分たちは自動車業界においてどんな存在なのか?」
これを明確にすることで、輸入車に引けを取らないクルマが見えくるのではないでしょうか。頑張れ、国産メーカー!
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