乗用車は「普通自動車」「小型自動車」「軽自動車」の3つに分類されます。ナンバープレートの上部記載の数字から普通自動車は3ナンバー、小型自動車は5ナンバーと言われることが多くなっています。
この分類は全長、全幅、全高、そして排気量から決められており、どれか一つでも上限を超えると上のクラスになります。具体的な数値は以下の通り。
◯軽自動車◯
(ダイハツムーヴ)
長さ:3.40m以下
幅:1.48m以下
高さ:2.00m以下
排気量:660cc以下
◯小型自動車(5ナンバー)◯
(トヨタ・ヴィッツ)
長さ:4.70m以下
幅:1.70m以下
高さ:2.00m以下
排気量:2000cc以下
◯普通自動車(3ナンバー)◯
(トヨタクラウン)
5ナンバーの基準をどれか一つでも超えた場合。
この基準を知ると、いろいろことがわかってきます。例えば最近の軽自動車はなぜ背が高いのか? タントやハスラー、NBOXなど昨今はウルトラハイトワゴンというカテゴリが大人気。フィットやヴィッツといったコンパクトカーを超える室内空間で、生活の足として普及しています。
(アウトドアまで可能な軽自動車ウェイク)
軽自動車は5ナンバー車に比べ、全長で1.3メートル、全幅で22センチも制限されています。しかし、全高だけは2mと同じ。縦や横に広げられないなら、高くしてしまえ、というのがウルトラハイトワゴンが増えた理由なのです。軽自動車に収まればそれだけ税金も安くなります。
逆に「あれこのクルマ、5ナンバーじゃなくて3ナンバーなんだ」というクルマもあります。日産「ジューク」やトヨタ「オーリス」がそうです。ジュークは1.5Lと1.6L、オーリスは1.8L、1.5L、1.2Lがそれぞれ用意されています。
(オーリスのターゲットはヨーロッパ市場。それでも大きめです)
どちらも排気量は2000cc以下。しかし全幅を見るとジュークは1765mm、オーリスは1760mmとそれそれ1700mmをオーバーしています。だから、3ナンバーに該当するのです。もちろん税金も変わってくるので、なんだか損をしたような気分になるかもしれません。
こうした事情の背景にあるのがグローバル化。トヨタや日産、ホンダは世界戦略を踏まえて、クルマ作りをしています。すると日本の道路事情だけでクルマを作ることができません。特に道路の広い北米市場などを意識すると、車体が大きくなりがち。日本では「乗りづらい」という評価を受けてしまいます。
以上、クルマの分類解説でした。サイズがわかると、そのクルマの素性が分かります。どんなユーザーのニーズに応えようとしているのかはもちろん、きちんと日本向けに作られているかまで透けてしまいます。クルマの選びの参考にしていただければ幸いです。
コメントを残す