ミニバン人気は日本だけ?
ファミリー層を中心に絶大な人気を誇るミニバンカテゴリー。しかし、ミニバン人気は日本だけで、世界的にはニッチな存在です。というのもアメリカなどは大陸なので道路が広く、クルマのサイズにも日本より余裕があります。居住性が高く、ロングドライブも考えるなら「キャンピングカー」という選択があるのです。
これに対し日本のミニバンは「規定サイズのなかで、どれだけ居住性を高めるか」を至上命題としています。多彩なシートアレンジはその象徴でしょう。ちなみに外国のシートアレンジはシートが丸ごと外れるだけだったりします。
(アルファードのシートアレンジ)
グローバル化が進みどんどん大型化が進むセダンに比べ、ミニバンは国内市場の需要を汲み取った「日本人向けに作られたクルマ」と言えるでしょう。しかし、そんなミニバン市場も軽自動車市場と同様、やや頭打ちの感が出てきました。そこで今回はミニバン市場の現在と、これからのミニバンについて解説します。
ミニバン市場の現在
ミニバンと一口に言っても3つに分かれます。
- コンパクトミニバン
- 5ナンバーミニバン
- Lサイズミニバン
です。順番に解説していきます。
コンパクトミニバン
(シエンタ)
現在コンパクトミニバンの中心になっているのはトヨタ・シエンタです。それまでこのカテゴリーはホンダ・フリードの独壇場でした。そこにトヨタが殴り込み。「ハイブリッド」と「最もコンパクトな3列シート車」という触れ込みが大ヒット。瞬く間にコンパクトミニバンのトップに躍り出ました。
もちろんホンダもそれをただ指をくわえて見ているわけではありません。ホンダは9月16日に新型フリードを発売しました。シエンタにはない「ハイブリッド4WD」という強みを武器に首位奪還を狙っています。
なお他メーカーはこのカテゴリには全く参戦せず。しばらくはシエンタとフリードの一騎打ちという状況が続くと思われます。
5ナンバーミニバン
(ノア)
ミニバンでも、最も売れ筋なのが5ナンバーミニバンです。全長×全幅×全高を4.7×1,7×2.0mという限界に収めつつ、いかに室内空間と過失容量を確保するか。このドル箱市場を制すべく、日本の主要3メーカーがしのぎを削っています。
このカテゴリーのトップはトヨタが展開する「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」の兄弟車。これを日産セレナとホンダステップワゴンが追いかける形になっています。
競争が激しい故に、色々と新しい機能が生み出されるのも特徴です。最近出たばかりの新型セレナには国産初の自動運転機能「プロパイロット」が、ステップワゴンには縦にも横にも開くリアゲート「ワクワクゲート」があります。
いろいろ意味でホットなカテゴリーです。
Lサイズミニバン
(アルファード)
3ナンバーならではのゆったりとした室内空間と、セダンにも負けない高級感がLサイズミニバンのウリ。現在はトヨタの「アルファード/ヴェルファイア」が旋風を巻き起こしています。
かつてはこのカテゴリーの王者は日産エルグランドでした。しかし、いわゆるオラオラ系という「いかつさ」を前面に出したイメージをアルファード/ヴェルファイアに奪われ苦戦状態。ハイブリッドの選択がないのも厳しいところ。
一方、そんな「アルファード/ヴェルファイア」の陰で地味に健闘しているのが、ホンダ・オデッセイハイブリッドです。
ミニバンといえば背の高いボックスカーが一般的なイメージ。しかしホンダは燃料タンクをフロア下に埋め込むセンタータンクレイアウトといった独自技術を生かして低重心化。ミニバンらしからぬ外見と走りの良さで、一定の人気を堅持しています。
これからどうなるミニバン市場?
- コンパクトミニバンはシエンタとフリードの一騎打ち
- 5ナンバーミニバンはトヨタ、日産、ホンダの三つ巴
- 3ナンバーは「アルファード/ヴェルファイア」が独占し、オデッセイが善戦。
これが大まかな日本のミニバン市場の現在です。こうしてみると、いかにトヨタが強いかをはっきりとわかります。
次回はミニバン市場がどうなっていくのか? 話題き自動運転なども絡めて解説していきます。
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