スズキ「スイフト」が搭載するデュアルジェットエンジンとは? 動力性能と環境性能を両立する仕組みを解説

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環境性能も抜群のデュアルジェットエンジンとは?

 

スズキのコンパクトカー「スイフト」。
その走りの良さからファンの多いクルマですが、
これに採用されているのがデュアルジェットエンジンです。

 

このエンジンは動力性能と環境性能の両立を目指して作られました。

 

2015年にあったエコカー減税改正は実質的な増税であり、
これでほとんどのガソリン車が減税対象から外れました。

 

しかし、そんな中このデュアルジェットエンジンを採用しているスイフトは
自動車取得税で80%、自動車重量税で75%の現在措置が受けられます。
(グリーン税制は75%減税)

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(スズキの人気コンパクトカー、スイフト)

 

 

コンパクトカーにおいて一際異彩を放つスイフトの文字通り、
原動力となっているデュアルジェットエンジンについて
今回は解説します。

 

そもそもエネルギーの大半は無駄に失われている

 

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引用元

 

デュアルジェットエンジンが追求したのは熱効率です。
熱効率はガソリンが燃焼した際の熱エネルギーを
どれだけ運動エネルギーに変えられたかを表します。

 

このエネルギーの変換の際は、通常、様々なロスが発生します。
排気ロス、冷却ロス、機械抵抗ロスなどの影響で、
動力になるエネルギーは半分にもなりません。

 

この熱効率を高めるのに有効な手段が「圧縮比を高める」こと。
圧縮比はエンジンの内燃室で、最も容積が大きくなる時と、
最も容積が小さくなる時の容量の比率を表します。

 

デュアルジェットエンジンは燃焼室をこれまでよりも
コンパクトに作ることで圧縮比を最適な12.0に設定しています。

高圧縮比で発生するノッキングという問題

 

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ただし圧縮比はただ高めればいい、というわけではありません。
なぜなら圧縮比を高めることで異常燃焼(ノッキング)という
現象が起きるからです。

 

圧縮比が大きくなると、燃料室内が高温・高圧になり
プラグ点火の前に燃料が自然発火してしまいます。
これがノッキングです。

ノッキングが起こると、最悪エンジンが破損してしまいます。
またそれを避けようと点火のタイミングをずらすと、
パワーやトルクが大幅に下がってしまいます。

 

この問題を解決するためにデュアルジェットエンジンでは、
様々な措置がとられています。その中の一つが、
燃料を噴霧するインジェクターを二本にするというもの。

 

デュアルジェットエンジンという名前はこれに由来します。

 

デュアルジェットエンジンのもつ様々な冷却システム

 

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デュアルジェットエンジンでは、
インジェクターを通常よりも燃料室に近い位置に配置。
噴霧された微細な燃料が効率よくシリンダー内に充填されることで、
温度を下げ、ノッキングを防ぎます。

 

他にも冷却オイルの循環路を工夫することで
ピストンを冷却する「ピストンクーリングジェット」、

 
排気ガスの一部を吸気ガスに際循環させることで、
燃焼温度を下げる「クールドEGRシステム」など、
様々な冷却システムが用意されています。

 

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しのぎを削る各メーカー

 

それではまとめに入りましょう。

 

  • 動力性能と環境製のを両立するには、熱効率を上げる必要がある。
    (通常、熱エネルギーの半分が無駄になっている)
  • 熱効率を上げるには、エンジンの圧縮比を高める方法がある。
  • しかし圧縮比を高めると、異常燃焼が発生してしまう。
  • この異常燃焼を防ぐのに、様々な冷却機能を施したのが
    デュアルジェットエンジン。

 

ということが言えます。

 

昨今は動力性能と環境性能を両立するために
各メーカーが様々な開発を行っています。

 

ハイブリッドはもちろんマツダのスカイアクティブD、
トヨタの新型アトキンソンサイクルエンジン、
今話題のダウンサイジングターボなどもそうです。

 

デュアルジェットエンジンともその一つ言えるでしょう。

 

 

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