クルマの性能がわかる諸元表
クルマの性能は「諸元表」という一枚のシートにまとめられています。諸元は仕様や性能を意味する「Specfication」を略したスペックとも言われ、この車はスペックが高い、といった使われ方をされます。
諸元表だけでそのクルマの全てがわかるわけではありませんが目安にはなります。CPUやHDD、グラフィックカードといったスペックを見て、パソコンの良し悪しを推測できるのと同じです。そこで今回から諸元品を見る際のポイントについて解説します。
諸元表に記載されている項目は次の通り。
- 車名、型式
- 駆動方式
- 類別
- 全長、全幅、全高
- ホイールベース
- トレッド
- 最低地上高
- 室内長、室内幅、室内高
- 車両重量
- etc
今回はホイールベース、トレッド、最小回転半径について解説します。
ホイールベース
(引用元)
ホイールベースは前輪の後輪の車軸の距離を表します。ホイールベースは長短でそれぞれメリットがことなります。
■ホイールベースが長いメリット■
- 揺れが小さく、乗り心地が良い
- 直進安定性が良い
- 車内空間を広く確保出来る
以上のメリットからセダンなどの高級車が当てはまります。
■ホイールベースが短い■
- 小回りがきく
- 車体の剛性が向上する
以上のメリットからスポーツ車に当てはまります。
現在では車内空間を優先して、ホイールベースを長く取る傾向にあります。特に軽自動車は時にはマーチといったコンパクトカーよりもホイールベースが長い場合があります。これもエンジンルームを短くできるようになった技術のお陰です。
(展示車のMRワゴン。ボンネットがこれしかありません)
なお、ホイールベースよりも前方の部分を「フロントオーバーハング」、ホイールベースよりも後方の部分を「リアオーバーハング」と言います。
トレッド
(引用元)
左右輪の中心距離をトレッドと言います。前輪と後輪でそれぞれフロントトレッドとリアトレッドという名称に分かれますが、前後のトレッドは等しいか、あってもごくわずかな違いに過ぎません。
ホイールベースと同様にトレッドも長いほど「乗り心地が良い」「直進安定性が高い」といったメリットがあります。しかし、トレッドに関してはクルマの全幅に合わせて決まる場合がほとんどです。
最小回転半径
ハンドルを最大に切った状態で、外輪が描く円の半径を表します。一般的にホイールベースが短いほど最小回転半径は小さくなります。またFF車はFR車よりも回転半径が大きくなります。これはエンジンとトランミッションなど複雑な機構がフロントに集中し、タイヤの角度が制限されるため。
現行車で最も最小回転半径が小さいのはメルセデスベンツの「スマートフォーツーカブレリオレ」の3.3mです。スマートは2人乗りの「シティコミューター」という規格で、ヨーロッパの狭い町並みでの使用が想定されています。
(スマートフォーツーカブリオ。引用元)
これに対し一般的なコンパクトカーであるヴィッツの最小回転半径4.3m。ホイールベースを比べると、1875mmと2370mm。やはりホイールベースの差が最小回転半径に如実に表れています。
最小回転半径は小回り性能の目安になりますが、前述したフロントオーバーハングが大きいほど小回りが難しくなります。フロントオーバーハングの外側が描く、実際に回転できる半径を実用最小回転半径と言います。
コメントを残す