クーペの特徴
セダン、ワゴン、ハッチバックなど自動車には様々なボディスタイルが存在します。しかし、その定義は以外と曖昧なもの。
ボディスタイルからは、その車が何のために作られたのか、「走り優先か、利便性優先か?」と言ったこと読み取れます。するとそのクルマが自分にとって必要なのか、より理解できるようになります。ぜひ参考にしてください。
今回解説するのは「クーペ」です。クーペの定義は「3ボックスの2ドアセダンで、全高が抑えられたスポーツタイプ」です。例えば最近なら、トヨタとスバルが共同開発した「86/BRZ」がクーペです。
ご覧のようにエンジン、車室、トランクと3つに分かれた3ボックスカーで、2ドアになっています。全高は1285mm。コンパクトカーであるヴィッツが1500mm、マーチが1515mmなのでいかに低く作られているかがわかります。
ちなみに86の乗員数は4人。ドアは2つですが、後ろに後部座席があります。とはいえ、これはあくまで補助的なもの。乗り込みにくく座席も狭いので、実際に座るのはなかなか無理があります。バッグなど荷物置き場にするのが正解です。こうした補助的なリアシートのあるクーペを「2+2」(ツープラスツー、あるいはツーバイツー)と言います。
完全な2シーターの場合、下手すると手荷物を置く場所すらありません。完全に走りに徹するならばいいのですが、日常での使いやすさも考慮するならば2+2の方が良いでしょう。あのスカイラインGT-Rも2+2です。
(スカイラインGT-R内装)
クーペのメリットとデメリット
(最近発表されたブガッティ・シロン。お値段はなんと3億円)
クーペのメリットは「走りが楽しい」こと。流線型のデザインと車高の低さにより空気抵抗が少なく、走行安定性に優れています。走ることだけに特化したクーペでしか得られない運転感覚が存在します。
デメリットは「不便」なこと。クルマは本来、輸送のための道具です。しかし、クーペは乗員は1人か2人、荷物もほとんど乗せられません。排気量はほぼ2000ccを超えるので車両価格も税金も高め。利便性やコストパフォーマンスから考えれば最悪です。
しかし、「それでもなお乗る」という選択をするからこそ、それが一種のステータスになります。コンパクトカーやミニバンが街中を走っていても、それは普通です。しかし86やGT-Rといったクーペは、周囲の視線を集めます。そこにロマンがあると言ってもいいでしょう。
使い勝手には目をつぶり、走りやロマンに魅せられた人向けのクルマ。それがクーペです。
コメントを残す