常に4輪に意欲をみせてきたヤマハ
あのヤマハが「4輪参入」というニュースが報じられました。ソースは日本経済新聞です。
ヤマハはバイクでは世界第2位のシェアを持つメーカーです。(ちなみに1位はカブをで有名なホンダです)。とはいえ、以前から4輪には並々ならぬ興味を示していました。
ヤマハはこれまでにトヨタ車のエンジンの多く手がけてきました。イニャシャルDでも有名な「AE86」、最近だとレクサスRCFやLFAのエンジンもそうです。特にスーパーカーのLFAは排気音に関して、ヤマハ音楽部門も協力しています。
またモータースポーツの最高峰F1でもザクスピード、ブラバム、ティレルといったチームにエンジンを供給していました。さらに91年にはV12エンジンのOX99エンジンを積んだスポーツカー「OX99-11」を発表。しかし運悪くバブル崩壊の憂き目にあい、業績が悪化。市販は実現されませんでした。
ヤマハが打ち出したシティコミューター「MOTIV(モーティフ)」
さて、そんなヤマハが一体どんな4輪を発表するかというと、実は2013年の東京モーターショーでヤマハは「MOTIV(モーティフ)」というコンセプトカーを発表しています。このモーティフをベースにした市販車になる可能性は大です。
モーティフは二人乗りのコンパクトボディになっています。ヤマハ発表の資料によると、
■全長×全幅×高=2,690mm×1,470mm×1,480mm
■パワーユニット=EV、ガソリンエンジンな
■車両重量=730 kg
といった感じになっています。想定されるライバルはメルセデスベンツ「スマート」、トヨタ「iQ」などいわゆるシティコミューターでしょう。シティコミューターは都市内の移動や、近郊からの通勤に使われる4輪と2輪の「間の子」のような車種です。
日本ではあまり話題にならない車種ですが、ヨーロッパでは結構売れ行きのいい車種になっています。実際この「4輪参入報道」でもヨーロッパ向けに販売、とされています。日本人である私達にはちょっと寂しい話ですね。
ちなみにスマートの車両重量は860kgです。これに130kgもの違いがあるのは「i-Stream」というボディ設計思想が大きく貢献しています。i-StreamはF1で有名なゴードン・マーレイが提唱する技術で、基本骨格に鋼管パイプと複合材料の組み合わせています。
軽量合金が使われているので重量をおさえられています。i-Streamの詳しい仕様は明かされていませんが、F1の技術を利用していると言われています。安全性だけでなく、走りも追求。F1に関心を示しスポーティな走りを求めてきたヤマハらしいクルマと言えるでしょう。
気になる価格、発売時期は?
さてこのモティフ、一体価格はいくらくらいになるでしょうか。モティフのエンジンは3気筒1000ccです。トヨタ「iQ」に2シーターで996ccモデルがあるのでこれと比較すると、iQは132万円です。また同じく2シーターで999ccの「スマートフォーツークーペ」は163万円から200万円となっています。
スマートと言えば、ついこないだEV(電気自動車)タイプが発売されました。価格は300万円~400万円。モティフにもEVが用意されますが、やはりこの辺りで横並びになるのでしょうか。
うーん、価格を見ると、シティコミューターが日本でなかなか流行らない理由もわかりますね。日本ならこのお金で軽自動車を買おうと思っても不思議はありません。軽自動車は日本にしかない独自の企画です。ヤマハがヨーロッパで戦おうとしているのもわかる気がします。
モティフの日本デビューは2020年とされています。東京オリンピック開催と同じ年で、まだまだ先の話です。これからどんどん詳細が明らかにされていくでしょう。続報に期待したいと思います。
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